Monthly Letters 2005

11月●「間(ま)をもてる余裕」

北海道では初積雪。季節は秋から冬へと確実に向かっていることを感じます。こんにちは、ホスメディックの深川です。

今月は「間をもてる余裕」がテーマです

みなさんは「間」という言葉からどのようなことを連想しますか?

言葉を発するとき、言葉を受けて応えるとき、相手が考えている時間を待つときなどさまざまな「間」が人と人とのふれあいの中で存在します。私は、コミュニケーションにおいて「間」というのはとても大切だと感じています。

医療者の皆さんは、常日頃患者さまに対して待ち時間をより少なくし、同時に「正確・丁寧」に応接しようと心がけていることでしょう。

しかしながら、実際の現場では心を配る「間」が上手くコントロールできていないような印象を受けることがあります。

先日、「目配り、気配り、心配りが大切ってわかっているけど、この忙しさじゃ無理ですよ。」とある医療者から聞き、ショックを受けました。

「間を持てる余裕」は、自分自身の心構えや考え方で持つことができます。まずは自分自身を知り、自分のストレスをマネージメントできるように訓練することです。

ゆとりを持つ技術を身につけることで、患者さまと接するときにより豊かな「間」のあるコミュニケーションができます。

みなさんも、自分の「間」を意識してみてはいかがでしょうか。

 

10月●「自分らしく」って?

こんにちは、ホスメディックの深川です。

寒暖の差が激しい関東地方です。風邪を引きやすく、また体調を崩しやすい天候が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて、今月のテーマは「自分らしく」です。

みなさんは、「自分らしく生きたい」「自分を出したい」「自分らしく表現したい」「自分らしく自然体ですごしたい」という思いを抱いたことはありますか?

私は、日常的にそのような思いを抱きます。

たとえば、ある物事に対して背伸びをしたり、ごまかしたり、自分勝手なことをしたり、後ろめたさを感じたりしたときなどに、特に強く思います。

そのような時、私の心の中では、「自分の心に素直になって、その場しのぎをしない。そして、周りを含めた自分を考えよう。」という心の声と、「自分の中に生じた変な『意地』」が葛藤しています。

簡単に使う漠然とした「自分らしく」という言葉ですが、実は奥深い言葉だとしみじみ感じています。

この言葉の中には協調性・優しさ・強さなど、人との繋がりを大切にする要素がたくさん詰まっているように感じます。

「自分らしく」とは、思いやりをもって自分にも周囲にも接することなのではないかと考えます。

皆さんはどうお感じですか?

9月●うるおいのある心

こんにちは、ホスメディックの深川です。

各地での台風の被災、復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、今月は「うるおいのある心」がテーマです。

みなさんは、この言葉からどのような印象を持つでしょうか。

私が「うるおいのある心」を感じるときは、人と人との関係をよりよい方向へ誘える人や、「この人と話をすると爽やかな気分になれる」というような人に出会ったときです。

また、謙虚な気持ちで感謝の気持ちを忘れない、そして相手に寄り添うように「心」を込めた話し方や行動が自然に出来る人に出会ったときです。

知識や経験を得てもおごることなく、低い姿勢で周りの人にうるおいを感じさせることが出来るとすてきだなぁと日々感じています。

徒然草に二つの句が載っていました。

『実るほど頭を垂れる稲穂かな』

『垂れるほど人の見上げる藤の花』

うるおいのある心の持ち主は、きっと二つの句の要素をそなえている人だと感じています。

みんなで、うるおいと爽やかさをたくさんふりまいてみませんか。


7月●和顔愛語(わげんあいご)

こんにちは、ホスメディックの深川です。

九州南部では梅雨が明けたそうです。昨日私はセミの声を今年初めて聞きました。関西ではすでに先週から鳴いていたそうです。これから夏本番!と楽しみです。

さて、今回のテーマは「和顔愛語(わげんあいご)」です。

耳慣れない言葉かもしれませんが、「無量寿経」というお経に出ている言葉です。優しく柔らかい表情をし、温かい言葉や励ましの言葉で人に接することを指します。

優しい気持ちや穏やかな気持ちのときは優しい言葉が、明るくすがすがしい気持ちのときの時には心地よく響く言葉が自然と出てくるものです。

わかってはいても、私自身、不機嫌でつっけんどんな物言いをすることがあります。そんな時に、優しい言葉や微笑を投げかけられると、不思議なくらい気持ちが柔らかくなります。

「和顔愛語」という言葉は、周囲を明るくし、温かい人間関係を築く基本を教えてくれるような感じがします。

みなさんはいかがですか?


6月●「謙虚さの達人」

そろそろ入梅でしょうか。お久しぶりです。ホスメディックの深川です。

今月のテーマは「謙虚さの達人」です。

皆さんは、この言葉からどのようなことを連想しますか。

「謙虚」という言葉を辞書で引くと「控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること」と書かれています。

「謙虚な人」とは、相手を立てながら自分も立てることができる人、自分も相手も恥をかかないで済むような心得ができている人のことだと私は思います。

「謙虚さ」の意味の中には、話題も豊富、表情も豊か、ひとを和ませることができるという意味も含まれていると思います。

謙虚な人と接すると気分がいいものです。謙虚であるというのはとても大きな魅力だと思います。

私も日々努力して自分を磨いています。皆さんも一緒に「謙虚さの達人」を目指しませんか。


4月●「しあわせ」のコツ

こんにちは、ホスメディックの深川です。

桜も満開!春爛漫の季節ですね。皆さんはこの時期をどのようにお過ごしでしょうか。

さて、今月は「しあわせ」のコツについてお話をします。

みなさんは、ほめられるとどんな気分になりますか?私は、幸せな気分になって嬉しくなります。そして、もっとがんばろうと思ったりもします。

みなさんは、誰かが「やってあたり前」のことをできたとき、素直に相手を褒めていますか。感謝の気持ちをあらわしていますか。「しあわせ」のコツは、小さなことでも、あたりまえのことでもまずは褒めることです。 そして、感謝することです。言われた相手は、幸せで嬉しい気持ちになるでしょう。自分に自信がつき、互いを尊重する心も育ちます。

そうです、素直に人を褒めたり、人に感謝をしたりすること、それが「しあわせ」のコツです。 人と人との心の通ったコミュニケーションと言えるでしょう。

安心感のある、柔らかい温もりのような人との繋がり、まずは小さなことでも「褒める」「感謝する」ことを素直に表現することから始めてみませんか?

3月●心から始まるコミュニケーション

こんにちは、ホスメディックの深川です。

2月からずっとインフルエンザや風邪がはやっていますね。お気をつけくださいませ。

さて、今回は「心から始まるコミュニケーション」についてお話します。

先日訪問した医療機関でのことです。一流ホテルを思わせるような印象と、接遇。言葉づかいもとても洗練されており、しかも心遣いあふれる温かい雰囲気でした。もし、心遣いを感じなかったら、慇懃無礼という印象を受けたかもしれません。そこでは、スタッフの方々が、ごく自然に患者さまを第一に思って行動しているように思えました。

言葉や動作だけが美しくても、思いやる気持ちが伝わらなかったり、温もりも感じてもらえなかったりでは不十分です。形があっても心が伝わらなければ、良いコミュニケーション・マナーとは言えないのですよね。大切なのは、心構えです。きれいな敬語でなくても、「相手を思いやる気持ち」があれば、お互いに心が通い、良いコミュニケーションになります。

さっそく、自分の心のあり方を意識し、普段の会話や自分の仕草や表情を意識してみませんか?

きっと「温かなコミュニケーション」になるでしょう。

2月●「聞き上手」って?

こんにちは、ホスメディックの深川です。

今年もインフルエンザがはやり始めているようですね。うがいやマスクなどの予防策をしっかりと行い、元気に冬を乗り切りましょう!

さて、今回は「聞き上手」についてお話しします。

「聞き役」なのに、いつの間にか、自分が話をしてしまっていることはありませんか?会話自体が盛り上がっていると、意外と気づかないことが多いようです。

患者さまとの会話では、是非それぞれの「役割」を意識してみてはいかがでしょうか?

雑談ができるくらいリラックスした環境は、「本音(不安・希望・要求)」を聞きだせるチャンスです。

まずは患者さまと話す時にひとつだけ意識してみましょう。

最後まできちんと話に耳を傾ける。これだけです。

患者さまはきっと「自分に寄り添って親身に話を聞いてくれている」と感じることでしょう。

「聞き上手」になる方法はまだまだありますが、それはまた別の機会に…。

1月●『内コミュニケーション』

あけましておめでとうございます。ホスメディックの深川です。

今月は、コミュニケーションについてお話ししたいと思います。みなさんは「自分の言いたいことがちゃんと伝わらない」「うまく表現できない」と感じたことはありませんか?

逆に、相手が「何を言いたいのかわからない」「話の内容が見えない」と思ったことは?

私は、両方とも経験ありますが、それだけではありません。自分で話を始めておきながら、途中で「あれ、私は何を言おうとしていたのだっけ?」と迷子になった経験もありますし、恥ずかしながら、このマンスリーレター作成中に「伝えたいことが、なかなかまとめられない」状態に陥ることもしばしばです。

そんな時はたいてい、ちょっと立ち止まり、「私が本当に言いたいことは何なのか?」と自問自答することになります。

一般的に、コミュニケーションは、自分と相手の間に存在するもの、つまり「外」へ向いた行為として捉えられています。

ところが最近、私は、コミュニケーションには「外」だけではなく「内」もあるかもしれない、と意識するようになりました。「内」に対するコミュニケーションとは、自分が伝えたいことを、自分自身がよりよく整理・理解することです。

私がお手伝いさせて頂いているのは、みなさんが「外」のコミュニケーション・スキルを磨いていくこと。しかし、まず自分が何を感じ、考えているのかを、きちんと知ること=「内」のコミュニケーションがあってこそ、はじめて、外へ向かって上手な発信もできるのではないでしょうか。

内コミュニケーション。きょう、あなたは、何度、あなた自身の声に耳を澄ませましたか